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インド外国法人とは|駐在員事務所・支店・プロジェクトオフィスの特徴

ここでは、「インド法人設立の3つの形態、内国法人・外国法人・有限責任事業組合(LLP)とは」の記事でご紹介したインド外国法人の詳細についてご紹介していきます。 インド外国法人の概要を解説し、インド外国法人の3つの種類となる駐在員事務所・支店・プロジェクトオフィスについて詳しく解説していきます。

インドの外国法人の概要

外国法人とは、内国法人以外の法人を指します。ゆえに、インドの法律に基づいて設立されていない法人、配当の支払に関して所定の要件を満たしていない法人であると言えます。

インド 外国法人

外国法人の内国法人と比較した際のメリットとしては、本社管理が容易であること、撤退が比較的容易であることが挙げられます。反対にデメリットとしては、現地生産ができないこと、国内取引が規制されていることなど、活動範囲が限定されてしまうことが挙げられます。

そのため、インドで組織を大きくしていく事を考えていない場合には、駐在員事務所や支店を選択する事も一つであると言えます。ただ、基本的には許可された業務しか行なえませんので、あくまでも日本本社のサポートや、現地調査を行うための施設という形になります。この点、注意してください。

また、外国法人では、PE(※1)課税のリスクと本社との権利義務が切り離せません。本来許可された業務以外のことをしているとインド側に判断された場合には、PE課税を受け、インドで税金を支払わなければならないというリスクがあります。

これらの税務調査は、最近増加傾向にありますので、事前に自社がPE課税に認定されるリスクが無いかどうかを十分に確認した上で、設立を検討していただければと思います。また、駐在員事務所や支店は、本社との権利義務が切り離せない点もリスクの一つと言えるでしょう。

カンタン用語解説
※1 PE:Permanent Establishment の略称で、日本語では恒久的施設と呼ばれています。国際取引がある場合には、その所得に対して法人の居住国が課税するか、それともビジネスが行われた国が課税するかが問題となりますが、その時に大原則となるのが、「PE(恒久的施設)なければ課税なし」という考え方です。すなわち、非居住者および外国法人が非居住国で事業を行っていても、当該非居住国内にPEを有していない場合には、その非居住者および外国法人の事業所得は、居住国で課税されるのが原則です。

 

外国法人の概要一覧リスト

  外国法人
準拠法 Foreign Exchange Management Act
事業内容 制限あり
設立必要期間 2ヶ月程
取締役数
法人税
実効税率
課税所得
1,000万INR以下41.60%
1,000万INR超-
1億INR以下
42.35%
1億INR超
43.68%
最低代替税
実効税率
無し
閉鎖必要期間 6ヶ月程
その他特徴
  • 許可範囲外の業務を行う事(みなされる事)でPEリスクあり
  • 本社側で損益通算が可能
  • 本社側との権利義務が切り離せない

駐在員事務所・支店・プロジェクトオフィスの概要と事例

 

1.駐在員事務所

下記の活動内容のみ認められている法人形態を指します。

  • インド国内における本社または関連会社の代表行為
  • インドへの輸出入の促進
  • 本社またはグループ会社とインドの会社との間の技術上または財務上の提携促進
  • 本社とインドの会社との間のコミュニケーション窓口業務

【こういった企業様におすすめ】
まだ売上をあげる予定はなく、インド進出にあたり現地調査を行うための拠点として設立されるケースが多いです。

 

2.支店

下記の活動内容のみ認められている法人形態を指します。

    • 商品の輸出入
    • 専門的サービスまたはコンサルティングサービスの提供
    • 本社が従事する調査活動の実行
    • インド内国法人と本社または海外の関連会社の間の技術上または財務上の提携の促進活動
    • インド国内における本社の代表行為、および本社の購入または販売代理店としての活動
    • インド国内における情報技術およびソフトウェア開発に関するサービスの提供
    • 親会社または関連会社の製品に関する技術サポートの提供
    • 外国の航空/船舶会社

こういった企業様におすすめ

限られたビジネスしか行わない企業、インドで大きな利益を出す予定がない企業が選択するケースが多いです。

 

3.プロジェクトオフィス

プロフィールオフィスとは、建設プロジェクト、インフラ整備プロジェクトなど、特定目的におけるプロジェクトの遂行のためだけに設立される事業拠点のことを言います。

そのため活動範囲は、当該特定プロジェクトの遂行に関わる行為に限定されています。また、プロジェクト終了後は、速やかにプロジェクトオフィスを閉鎖する必要があります。ゆえに、長期的にインドでビジネスを行う上では不向きであると言えます。

【こういった企業様におすすめ】
一定期間で終了する事が確定しているプロジェクト業務などのケースは、プロジェクトオフィスの形態が使用される事が多いです。


外国法人に関して記載させて頂きました。上記でご説明させて頂いた通り、外国法人を選択すべき企業は一定の条件があったり、事情がある会社で、基本的にはインドで多くの利益を出す予定が無い、もしくは長期事業展開を行う予定の無い会社が選択するケースが多いです。条件が合えば内国法人よりもメリットを感じて貰える形態であると思いますので、一度検討いただければと思います。

古東 翔二朗(インド法人責任者)

税理士法人日本経営(現 日本経営ウィル税理士法人)に入社後、主に税務顧問・財務コンサルティング業務に従事し、2016年よりタイの提携事務所に2年間出向。日系企業の進出支援や記帳代行サービス、保険業務の日本人コーディネーター業務を行う。 2018年11月よりインド(デリー/グルガオン)へ赴任。

 

【免責事項】
本記事でご提供するアドバイス及び情報等は、記事作成時点で私どもが把握している事実及び情報、法律等に基づいています。また、本記事内でご紹介させていただいた内容のうち、法律・制度に関するものは、一般的な内容を分かりやすく解説したものです。貴殿の実行及び意思決定等につきまして、弊社は助言の範囲を超えるものではないことをあらかじめご了承ください。 

インド 会計事務所

 

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